『2か月セルフケア「愛され姫の魔法の小顔! 」』

林田力

柴崎知加『2か月セルフケア「愛され姫の魔法の小顔! 」　世界を見てきたゴットハンドがすすめるアンチエイジング』（セルバ出版、2014年）は美肌と小顔づくりのセルフケアを解説した書籍である。2か月のセルフトレーニングで愛され姫の魔法の小顔を手に入れると謳う。使用している化粧品を変えず、整形をせず、高額をかけずに子顔を目指す（13頁）。

そもそも論として愛され姫を目指すということへの批判が考えられる。男性に媚びている、自立した女性の生き方ではない云々と。これに対して、本書は「自分の個性を大事にすること、また自分自身を自分で受け入れていくこと」を出発点とする。Yuka Takakiのイラストはシンプルな大人の女性を描いており、男性に媚びるというようなイメージはない。

もともと日本では表情を消す、内面を悟られないことが美徳とされており、日本女性が歯を見せて笑うことはなかった。ところが、今はグローバル社会である。喜怒哀楽を相手にアピールし、笑顔を見せることが初対面の相手に好感がもたれるようになった。つまり愛され姫を目指すことには近代的・進歩的な意味合いもある。

本書は自分の個性を知るために序盤で顔の形の分類をしている（25頁以下）。そこでは例として該当する芸能人をあげている。たとえばパーツが外に離れている「外心顔」は相武紗季というように。中心に顔のパーツが寄っている「内心顔」の代表例を前田敦子さんとしている。前田さんはアンチから「顔のパーツがセンターに寄っている」「顔面センター」とバッシングされていた。そのために正直微妙に感じたが、「自分の個性を大事にすること」を貫いている。

本書はセルフケアを解説するイラストが多く、分かりやすい内容になっている。「スマホをいじることが多い人はたるみやすい」（86頁）など日常生活の様々な点の指摘があり、実践的である。

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