『弁護士冥利』左翼イメージを超えた存在

林田力

宇都宮健児『弁護士冥利 だから私は闘い続ける』(東海教育研究所、2009年)は宇都宮氏が自己の半生を書いた自伝的作品である。本書は生い立ちから書かれている点が特徴である。

私は二度の東京都知事選挙で宇都宮氏を支持した。結果は残念であったが、その要因を乱暴ではあるが一言にまとめると、ステレオタイプな左翼イメージを越えられなかったとなる。しかし、本書からは宇都宮氏がステレオタイプな左翼イメージを超えた存在であることが分かる。

たとえば中学生時代の体罰について「いまなら体罰だということで大問題になるのでしょうが、体罰の裏に大きな温情があったということで、その一連の記憶は、いまでも温かい思い出として残っています」と書いている(65頁)。言うまでもなく体罰は容認できない。しかし、世の中の全てが体罰を絶対悪という文脈で語られるほど単純でないことは理解している。特に政治的文脈では関東連合など反グレ集団の犯罪もあり、市民層にはヤンキーへの反感がある。宇都宮氏は左翼の建前論だけでなく、そのような話もできる人であることが分かる。

また、東京大学在学中は学生運動に対して、貧困の現実を知らない運動と一歩引いた感覚があったという。「学生運動の活動家たちは、実は貧乏がどういうものかなど経験したこともない金持ちのお坊ちゃんが多い」(82頁)。これは今の現役世代や若年層が左翼に感じる違和感に近い。

弁護士になってからの二度目のイソ弁先の事務所は今風に言えばブラック士業に近い。ボス弁は「お客がいるところで事務員を怒鳴りつけるような強権的な人で、事務員がしょっちゅう辞めます」との状態であった(112頁)。宇都宮氏はブラック企業問題でも積極的に発信しているが、このようなところにも原点がある。

宇都宮氏が宮部みゆき『火車』のモデルとなっていたことは選挙戦でアピールされたが、宇都宮氏のアピールポイントは他にもあった。1992年の流行語大賞銀賞「カード破産」の受賞者である。また、映画やテレビドラマの『夜逃げ屋本舗』の監修者にもなっている(159頁)。このような話がもっと知られていたらと思われてならない。



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