『癒し屋キリコの約束』

林田力

森沢明夫『癒し屋キリコの約束』(幻冬舎、2014年)は癒し屋という、困っている他人の悩み事を解決する仕事をめぐる物語である。表向きは昭和の香りがする喫茶店「昭和堂」である。昭和歌謡を流しており、本文でも所々で歌詞を引用している。この昭和堂では癒しの相談を受け付けている。

癒しというとヒーリング的なイメージがあるが、内容はストーカー被害や結婚詐欺など現実の悩みが起点になる。癒し屋は何でも屋ではないため、現実の被害救済にはならないが、現実から遊離して心の安らぎを追求している訳ではない。日本には精神論だけで解決しようという古い体質があるが、それでは問題解決にならない。

癒し屋の霧子は癒し屋というイメージとは異なる。口は悪く、酒が好きで、金にがめつい。笑い声は「ぐふふふ」である。現実に金儲け目的のスピリチュアルも存在する。放射能不安につけこみ、怪しげな浄水器やベクレルフリーの食材を売り付ける放射脳カルトの詐欺商法もある。そのような悪徳業者に依頼することは現実では悲劇になるが、本書の霧子の指示は適格であり、依頼者は救われる。

本書は一つの物語であるが、依頼者が来て依頼を解決するというオムニバスが続く形式である。プロローグの文章は物騒であるが、序盤は依頼者の悩みこそ深刻であるが、ユーモラスな雰囲気で物語が進む。

中盤に視点人物である癒し屋アシスタント・カッキー自身の物語があり、霧子自身の物語がクライマックスに来る。ここでは視点人物に仕掛けがあり、物語を否応なく盛り上げる。最後まで読むことでタイトルの『癒し屋キリコの約束』の意味も分かる仕組みになっている。


林田力


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