『銀河英雄伝説 エル・ファシルの逃亡者』

林田力

甘蜜柑『銀河英雄伝説 エル・ファシルの逃亡者』は銀河英雄伝説の二次小説である。主人公エリヤ・フィリップスはリンチ少将率いるエル・ファシル駐留部隊所属の兵士であった。帝国軍侵攻に際してリンチ少将の指揮に従って民間人を見捨てて逃亡したものの、帝国軍に捕らえられる。後に捕虜交換で帰国したものの、逃亡者と蔑まれて惨めな人生を送った。

そのエリヤが死後にエル・ファシル逃亡直前の人生に逆行し、人生をやり直す。エリヤはヤン・ウェンリーと行動を共にし、ヤンと共にエル・ファシルの英雄と称される。その後もチャンスを活かし、軍人としてキャリアを重ねる。未来知識をフル稼働させる訳ではなく、前世の反省からの主人公の努力や成長・苦悩を丁寧に描写する。連載中の作品で、レビュー執筆時は第8次イゼルローン攻防戦に相当する。

バタフライ効果かパラレルワールドかは不明であるが、エリヤと無関係なところでも原作と異なる出来事が起きているが、それほど大きな解離はない。むしろ同盟の人物像に新たな視点を提供する。ドーソンやロボスは全くの無能者ではない。フォークにも同情できる点がある。誠実な人格者と見られたグリーンヒルは保身に長けた卑怯者の面がある。政治嫌いとされたヤンも中々の政治巧者であった。実際に接することでステレオタイプな人物像を一新させていく。

本作品では軍部内の派閥や同盟の政治勢力の主義主張を詳しく描いている。どの勢力にも各々の論理があり、無能者集団などと切り捨てることはできない。原作では嫌われ者のトリューニヒトも、その政治的主張に十分な理があり、支持される背景がある。

原作では良識派とされたレベロは経済政策では新自由主義的な自立重視の緊縮財政である。主戦派の扇動政治家とされたトリューニヒトは経済政策では積極財政である。社会民主主義的な勢力は存在しない。反戦派も軍内部の支持を得ており、日本の平和主義者とは趣が異なる。現実の日本では社会民主主義的な勢力は旧時代の遺物、体制内批判派と既得権益擁護者と見られ、勢いを失っている。フィクション作品の中で全く考えられないということに考えさせられる。

林田力


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