『弁護士馬奈木昭雄』環境派と公害派

林田力

松橋隆司編著『弁護士馬奈木昭雄 私たちは絶対に負けない なぜなら勝つまでたたかい続けるから』(合同出版)は水俣病裁判や諫早湾裁判の代理人弁護士を取り上げ書籍である。馬奈木弁護士の話を編著者がまとめている。まとめたと言っても、文章は馬奈木弁護士の語り口で一貫しており、編著者は表には出ていない。イメージ的には自叙伝と変わらない。

弱者救済や人権擁護、正義のために尽力した社会派弁護士の書籍は、それなりに多い。むしろ、ありふれているくらいであり、テンプレート化して面白くないとの反応もある。そのような向きにも本書は楽しめる。何しろ冒頭から環境派と公害派という環境問題に取り組む人々のセクト対立で始まっている。

同じ環境問題に取り組む人々も環境派と公害派ではスタンスが異なる。環境派は有明海の環境を守り、ムツゴロウを守ることを目的とする。これに対して公害派は人間の生活を目的にする。公害派にとってムツゴロウは美味しく食べるものである。馬奈木弁護士は自己を公害派と規定する。

一見すると、環境派の方が優れている感がある。公害問題から環境問題へという歴史の流れがある。また、環境思想内部ではShallow EcologistとDeep Ecologistの対立があり、本書の公害派はShallow Ecologistに相当するためである。それ故に本書で言及された環境派は「私たちは『環境派』です」と胸を張ったのだろう。

しかし、環境のための環境となってしまい、地に足ついた生活を見失うと病んで環境意識がカルト化してしまう。フード左翼や放射脳カルトは、その典型であり、逆に市民生活から対立する。公害派という立場は、その危険を回避である。

諫早湾の裁判では農林水産省の役人が「事業は9割5分完成した」と開き直った。これに対して馬奈木弁護士は「それを日本では『居直り強盗の論理』というのだ。恥を知れ」と怒鳴ったという(118頁)。既成事実で開き直る「居直り強盗の論理」は東急不動産消費者契約法違反訴訟における東急不動産も同じであった(林田力『東急不動産だまし売り裁判 こうして勝った』ロゴス社)。正しい法律的なものの考え方を貫く馬奈木弁護士に拍手を送りたい。


林田力


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