『認知症・行方不明者1万人の衝撃』
林田力
NHK「認知症・行方不明者1万人」取材班『認知症・行方不明者1万人の衝撃 失われた人生・家族の苦悩』(幻冬舎、2015年)は認知症による徘徊で行方不明となった肉親を捜し続ける家族の苦しみや身元を確認する仕組みの課題を述べる。NHKスペシャル『認知症行方不明者1万人〜知られざる徘徊の実態〜』を書籍化した。家族が行方不明になると警察に届けることになるが、警察はあまり役に立っていない。そこには警察の無理解、情報連携の不味さという問題がある。NHKの放送を契機として認知症で身元不明の女性が7年ぶりに家族と再会できたが、それまで見つからなかった原因は警察の単純な人為的ミスであった(182頁)。女性の夫は憮然とした表情で「人の人生がかかっていることで、ミスをしました、では済まされないと思います」と語った(184頁)。
警察を擁護するつもりはないが、警察に権限と守備範囲が集中しすぎて過重になっているという現実はある。警察とは別の福祉的な機関で対応することが望ましい。実際、自治体の生活保護の担当部署のネットワークによって行方不明者が見つかった事例がある(185頁以下)。自治体が保護した身元不明者には生活保護制度が適用されるが、自治体では身元不明者の家族を探すために、その情報を他の自治体と共有していた。
自治体が生活保護の負担を減らすために、親族に援助するように連絡することは、親族の扶養義務を重くし、生存権を軽視するものと批判されている。しかし、身元不明者の発見には有益であった。福祉のネットワークは正しく使えば可能性が大きい。
認知症で行方不明になる人々が多数いるが、個別のケースと処理されて、社会的に大きな問題として意識されていない。これだけの問題が埋もれている背景には、やはり日本社会が金儲け優先、経済成長優先で、生活を軽視してきたためではないか。開発よりも社会問題の解決を優先すべきだろう。

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