『日本を捨てた男たち フィリピンに生きる「困窮邦人」』

林田力

水谷竹秀『日本を捨てた男たち フィリピンに生きる「困窮邦人」』(集英社文庫、2013年)は、フィリピン女性を追いかけてフィリピンに渡り、無一文になった困窮邦人を取り上げたルポタージュである。日本を捨てた結果がフィリピンでの路上生活である。フィリピンには治安が悪いなどのマイナスイメージがあるが、本書で増幅された。

困窮邦人との言葉だけならば同情したくなるが、自業自得の転落人生である。嘘を繰り返し、他人に迷惑をかけまくる。日本でハイエナ資本主義者が振りかざす自己責任論には批判的な立場でも、自己責任と言いたくなる。移住の建前は愛するフィリピン女性を追ってとなるが、実質は人生のリセット願望である。日本にもブラック企業や貧困ビジネスなど様々な問題があるが、日本で地に足ついた生活を送れば困窮邦人よりも数段まともな生活を送れただろう。

本書はフィリピン女性に入れあげた男たちを扱うが、現実は新たなタイプの困窮邦人が登場する可能性がある。放射脳カルトに囚われた自主避難者(海外移住者)である。そこには危険デマに踊らされて安易に自主避難した人も少なくない。中には惨めな生活から逃げる口実として「自主避難」を持ち出した輩もいる。自主避難者というよりも夜逃げ者である。周囲に迷惑をかけ続けた人間が人生をリセットする感覚での自主避難である(林田力『放射脳カルトと貧困ビジネス』「放射脳カルトは貧困ビジネス」)。ここで本書の困窮邦人と重なる。

本書の困窮邦人にしても放射脳カルトにしてもフィリピンに移住したところで惨めな生活から抜け出せるわけではない。反対に一層転落し、惨めな生活になる可能性が高い。その実態を本書は描いている。その意味で本書は教育的な書籍である。


林田力


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