『かの名はポンパドール』
林田力
佐藤賢一『かの名はポンパドール』はルイ15世の寵姫ポンパドール夫人を主人公とした歴史小説である。ポンパドール夫人は「我らの後は大洪水」の言葉が有名である。贅沢三昧でブルボン朝を破綻に追い込み、フランス革命の遠因になったと評されることが多い。本書は、そのようなステレオタイプな見方とは異なる視点を提供する。ポンパドール夫人は平民(ブルジョア)出身であった。そのために貴族からは成り上がりと蔑視された。一方でポンパドール夫人が持ち込んだブルジョア文化は停滞した宮廷文化に活気をもたらした。ポンパドールという髪型は現代にも残っている。
当時のフランス宮廷は、貴族と言っても、ブルジョアが功績で取り立てられた者が多かった。既に貴族の時代からブルジョアの時代に移っていた。ポンパドール夫人は、その時代の波の中にいた。
ポンパドール夫人は啓蒙思想家を保護するなど先進的な面もあった。マイナス面からフランス革命を準備したというよりも、プラス面からフランス革命を準備したと言えそうである。
佐藤賢一作品は登場人物の熱いモノローグが魅力である(林田力「【書評】『議会の迷走 小説フランス革命4』の感想」JANJAN 2010年1月31日)。本書もポンパドール夫人が損得ではなく、正義のための戦いを選択する。過去作品では熱血漢は男性キャラクターが多かった。これに対して本書は女性だから熱いとする。これはマンション建設反対運動や裁判闘争などでも納得できる話である。
「女だからだ。怒りのままに動ける性だからだ。外交の常識だの、損得の計算だの、目先の国益だのに捕らわれて、賢い落としどころを探るような真似をせず、善は善であり、悪は悪であるとして、一気に駆け出すことができる」(341頁)

シェアして拡散していただけるともっと嬉しいです。Facebookでの記事に対するご意見、ご感想をお待ち申し上げます。一緒にFacebookを楽しみましょう。
【既刊】『東急不動産だまし売り裁判 こうして勝った』『東急不動産だまし売り裁判購入編』『東急不動産だまし売り裁判2リバブル編』『東急不動産だまし売り裁判3』『東急不動産だまし売り裁判4渋谷東急プラザの協議』『東急不動産だまし売り裁判5東京都政』『東急不動産だまし売り裁判6東急百貨店だまし売り』『東急不動産だまし売り裁判7』『東急不動産だまし売り裁判8』『東急不動産だまし売り裁判9』
『東急不動産だまし売り裁判10証人尋問』『東急不動産だまし売り裁判11勝訴判決』『東急不動産だまし売り裁判12東急リバブル広告』『東急不動産だまし売り裁判13選挙』『東急不動産だまし売り裁判14控訴審』『東急不動産だまし売り裁判15堺市長選挙』『東急不動産だまし売り裁判16脱法ハーブ宣伝屋』『東急不動産だまし売り裁判17』『東急不動産だまし売り裁判18住まいの貧困』『東急不動産だまし売り裁判19ダンダリン』
『東急不動産だまし売り裁判訴状』『東急不動産だまし売り裁判陳述書』『東急不動産だまし売り裁判陳述書2』『東急不動産だまし売り裁判陳述書3』
『東急大井町線高架下立ち退き』『東急不動産係長脅迫電話逮捕事件』『東急コミュニティー解約記』『東急ストアTwitter炎上』『東急ホテルズ食材偽装』
『裏事件レポート』『ブラック企業・ブラック士業』『絶望者の王国』『歌手』『脱法ハーブにNO』『東京都のゼロゼロ物件』『放射脳カルトと貧困ビジネス』『貧困ビジネスと東京都』
『二子玉川ライズ反対運動1』『二子玉川ライズ反対運動2』『二子玉川ライズ反対運動3』『二子玉川ライズ反対運動4』『二子玉川ライズ反対運動5』『二子玉川ライズ住民訴訟 二子玉川ライズ反対運動6』『二子玉川ライズ反対運動7』『二子玉川ライズ反対運動8』『二子玉川ライズ反対運動9ブランズ二子玉川の複合被害』『二子玉川ライズ反対運動10』『二子玉川ライズ反対運動11外環道』『二子玉川ライズ反対運動12上告』
林田力 東急不動産だまし売り裁判 こうして勝った 東急不動産係長脅迫電話逮捕事件 二子玉川ライズ反対運動 東急リバブル広告 東急ストアTwitter炎上 東急ホテルズ食材偽装 東急ハンズ過労死 ブラック企業・ブラック士業 脱法ハーブにNO 東京都のゼロゼロ物件 東急不買運動 東急リバブル東急不動産不買運動 アマゾン ブログ ツカサネット新聞 リアルライブ 本が好き v林田力 家計簿 ワンピース 韓国 江東区長 選挙 東陽町 世田谷区 Hayashida Riki hayariki tokyufubai amazon wiki wikipedia facebook