『サボタージュ・マニュアル』
林田力
米国戦略諜報局(OSS)著、越智啓太監訳・解説、国重浩一訳『サボタージュ・マニュアル 諜報活動が照らす組織経営の本質』(北大路書房、2015年)は第二次世界大戦中の1944年に米国のOSSが作成したサボタージュ・マニュアルを解説付で書籍化したものである。サボタージュ・マニュアルは敵軍の占領地人民向けに占領者へのサボタージュの方法をまとめたものである。組織を駄目にする方法をまとめている。このマニュアルを使って敵地で仕事の進みを遅らせるように人々をトレーニングした。
本書はサボタージュ・マニュアルを官僚化して非効率になった現代の組織への警告や皮肉と位置付けている。無駄な会議や形式的な手続きなど意図したサボタージュでなくても、組織にとってサボタージュの効果になることが大真面目に行われている。
市民運動の世界でも「ちゃらんけ」などと徹底的に議論することを素晴らしいという風潮があるが、それは組織を破壊したい側の狙い通りにもなることをサボタージュ・マニュアルは教えてくれる。現実に穏健な市民団体を左翼過激派が乗っ取る手口として使われている。
本書はサボタージュ・マニュアルを現代組織への警告や皮肉と位置付けるが、本来の軍事目的でも意味がある。サボタージュ・マニュアルはサボタージュ活動を細く長く続けるように求めている。日本軍のバンザイ突撃や特攻隊とは真逆の発想である。「生きて虜囚の辱しめを受けず」ではなく、生きてこそ復讐できる。日本がアメリカに敗北したことが納得できる。
サボタージュ・マニュアルを現代の戦争で考えると恐ろしくなる。ナチス・ドイツなど全体主義との闘いでサボタージュは英雄的であるが、敵も同じ攻撃をする可能性がある。欧米の多くの若者がイスラム国の兵士になることが問題になったが、自国にとどまってサボタージュに取り組む可能性もある。この可能性を考えると、戦争は戦闘員だけの問題ではなく、権力側にとっては国民全てを監視しなければ戦時体制が成り立たなくなる。戦争が人権と両立しないことは真理である。

シェアして拡散していただけるともっと嬉しいです。Facebookでの記事に対するご意見、ご感想をお待ち申し上げます。一緒にFacebookを楽しみましょう。
【既刊】『東急不動産だまし売り裁判 こうして勝った』『東急不動産だまし売り裁判購入編』『東急不動産だまし売り裁判2リバブル編』『東急不動産だまし売り裁判3』『東急不動産だまし売り裁判4渋谷東急プラザの協議』『東急不動産だまし売り裁判5東京都政』『東急不動産だまし売り裁判6東急百貨店だまし売り』『東急不動産だまし売り裁判7』『東急不動産だまし売り裁判8』『東急不動産だまし売り裁判9』
『東急不動産だまし売り裁判10証人尋問』『東急不動産だまし売り裁判11勝訴判決』『東急不動産だまし売り裁判12東急リバブル広告』『東急不動産だまし売り裁判13選挙』『東急不動産だまし売り裁判14控訴審』『東急不動産だまし売り裁判15堺市長選挙』『東急不動産だまし売り裁判16脱法ハーブ宣伝屋』『東急不動産だまし売り裁判17』『東急不動産だまし売り裁判18住まいの貧困』『東急不動産だまし売り裁判19ダンダリン』
『東急不動産だまし売り裁判訴状』『東急不動産だまし売り裁判陳述書』『東急不動産だまし売り裁判陳述書2』『東急不動産だまし売り裁判陳述書3』
『東急大井町線高架下立ち退き』『東急不動産係長脅迫電話逮捕事件』『東急コミュニティー解約記』『東急ストアTwitter炎上』『東急ホテルズ食材偽装』
『裏事件レポート』『ブラック企業・ブラック士業』『絶望者の王国』『歌手』『脱法ハーブにNO』『東京都のゼロゼロ物件』『放射脳カルトと貧困ビジネス』『貧困ビジネスと東京都』
『二子玉川ライズ反対運動1』『二子玉川ライズ反対運動2』『二子玉川ライズ反対運動3』『二子玉川ライズ反対運動4』『二子玉川ライズ反対運動5』『二子玉川ライズ住民訴訟 二子玉川ライズ反対運動6』『二子玉川ライズ反対運動7』『二子玉川ライズ反対運動8』『二子玉川ライズ反対運動9ブランズ二子玉川の複合被害』『二子玉川ライズ反対運動10』『二子玉川ライズ反対運動11外環道』『二子玉川ライズ反対運動12上告』
林田力 東急不動産だまし売り裁判 こうして勝った 東急不動産係長脅迫電話逮捕事件 二子玉川ライズ反対運動 東急リバブル広告 東急ストアTwitter炎上 東急ホテルズ食材偽装 東急ハンズ過労死 ブラック企業・ブラック士業 脱法ハーブにNO 東京都のゼロゼロ物件 東急不買運動 東急リバブル東急不動産不買運動 アマゾン ブログ ツカサネット新聞 リアルライブ 本が好き v林田力 家計簿 ワンピース 韓国 江東区長 選挙 東陽町 世田谷区 Hayashida Riki hayariki tokyufubai amazon wiki wikipedia facebook