『冬の兵士』

アーロン・グランツ、反戦イラク帰還兵の会『冬の兵士―イラク・アフガン帰還米兵が語る戦場の真実』（岩波書店、2009年）はイラク戦争などの帰還兵が戦争の実態を告発した証言をまとめた書籍である。

本書には「上官は言った。『最初の殺しがナイフで出来たら、休暇日数を増やしてやる』」と書かれている。戦争では上官の命令は絶対服従となり、人殺しや残虐行為、人道に背くことを強要される。これは日本の戦争と同じである。「冬の兵士」の告発は、政府への批判となり、広く社会に知らせるために必要なことである。

帰還兵は「権力を乱用した、明らかな専制政治が行われた時、その政府を倒すことは、人民の権利であり義務である」と述べる。「アメリカよ目を覚ませ。我々は、米軍のイラクからの無条件撤退を要求する。今すぐに」と語る。

そもそもイラク戦争は、ブッシュ政権によって正当な理由もないまま開始された戦争である。軍需産業が莫大な利益を得た。想像してほしい。戦争が殺戮や環境破壊をもたらす。生きている人間の人としての魂までも破壊してしまう。

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