『テンペスタ 天然がぶり寄り娘と正義の七日間』

林田力

深水黎一郎『テンペスタ 天然がぶり寄り娘と正義の七日間』(幻冬舎、2014年)は現代日本の東京に住む独身アラフォーの大学非常勤講師・賢一と小学4年生の姪ミドリの交流を描く小説である。賢一は東京見物のために単身上京したミドリを一週間預かることになる。

賢一は美学を専攻しており、書名の『テンペスタ』は著者の主要な研究対象であるジョルジョーネの絵画の題名である。表紙の絵も絵画の『テンペスタ』をモチーフにしている。テンペスタはイタリア語で嵐の意味である。賢一にとってミドリとの交流は嵐であった。

賢一は一人称をオレと言う生意気なミドリに振り回される。詐欺業者などを許さないミドリの正義感は清々しい。ミドリは「もし騙されて買っちゃう人がいたら、その人の方が可哀想じゃん」と言う(42頁)。これに対して賢一は「あくまでも自己責任なんだ。だから残念ながら、騙される方が悪いと言うしかないんだよ、この世の中は」というスタンスである(89頁)。

ここでは賢一にどうしようもなさを感じてしまう。賢一のようなポジションが社会と積極的に関わろうとせず、世をすねた感じになることは理解できる。しかし、他人を騙し、踏み台にしてのし上がった立場でもない賢一が騙す側の論理に立つことは滑稽である。世をすねた思いがあるならば、それは不正義が横行する社会への絶望であって、不正義を許容するならば、どうしようもない。

この賢一もミドリに触発され、終盤では大立ち回りまでするようになる。これだけでもストーリーとして完結するが、本書にはまだ続きがある。そこでは賢一は情けなくなくなる。決断力も行動力もミドリが上である。




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