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『「鉄板エピソード」で相手の心をつかむ』

林田力

遠藤裕行『「鉄板エピソード」で相手の心をつかむ 自分史を活用してデキる男になれ!』(セルバ出版、2015年)は自分だけの経験を使って誰にも真似できない自分ブランディングをするための書籍である。著者は自分史のアドバイザーである。

自分史と言えば高齢者対象に感じられるかもしれないが、本書には相手に関心を持ってもらう自己紹介のノウハウが書かれており、現役世代にも有益である。実際、本書の目次には「お酒の席でさり気なく語りたい、オトナの男の経験」との章もある。自分の過去を振り返ることは後ろ向きの作業ではなく、今を生きる人々に意味のある作業である。

タイトルの鉄板エピソードは著者の造語であるが、鉄板ネタの類推から理解は容易である。但し、万人受けする鉄板ネタというよりも、自分ならではのエピソードという点を重視している。自分では平々凡々な人生と思っていても、その人独自の経験がある。本書は多様性の尊重に立脚している点が読んでいて心地よい。

著者の多様性の尊重は自己だけでなく、他者にも向けられている。世の中には自分の過激な意見を相手に認めさせるための手段として多様性の尊重を主張する輩がいるが、そのようなものではない。本書の会話術の説明は非常に有益であった


林田力

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